第三話 新米冒険者とルーフェリアの神官


GM では、第三回ソードワールド2.0セッションをはじめます。が、その前に、前回手に入れた<剣の欠片>4個は名誉点にかえるでいいのかな?

コンラッド それでいいよ。目指せ、ノーブルワールド。(笑)

GM では4D6だけ、名誉点が増えます。

ジブル 総計で『16』点だな。

GM この程度の数では今は何もできませんが、しっかり貯めておきましょう。では、成長から。前回の経験点ですが、4レベル魔動機械2体と、3レベル1体で、1110点です。なお、今回よりサプリメント『ウィザーズトゥーム』が反映されます。

フリーダム ああ、妖精魔法が大幅改造で、めんどくさく…ちょっとまってて。

GM まあ、ランク取得わかりにくいけど、ようするに、他の属性のランクの半分をランク加算できるってだけだから。ゆっくり理解してください。あまり詳しくないけど、質問は受け付けますから。

コンラッド はいはい。まず、能力値上昇からです「2」と「6」だったので、敏捷度を上げました。12から13なのでボーナスブレイクまではまだまだ先なのですが、使わない精神力よりはいい。そして、それよりも、ジャジャジャジャーン。ファイター技能3レベル。これで追加戦闘特技が取れます。何にしようかな。《防具習熟U/盾》にしようかな。

GM 残念ですが、戦闘特技には前提が必要なものがあります。《防具習熟U》は冒険者レベル5レベルが前提なので、まだ取れません。

コンラッド むう。残念。じゃあ防御の特技はもういいや。攻撃系の何かを取ろう。

GM となると、回避にペナルティのかかる《全力攻撃》や《必殺攻撃》か、無難な《武器習熟》かな?武器習熟はそれだけでダメージ+1だし。Aランクの武器は、同じ必要筋力でも打撃力が明らかに違うから便利だよ。それとデメリットがないのもメリットだ。

コンラッド …いや《全力攻撃》にしよう。

GM ほう。

コンラッド ダメージ+1よりも、ダメージ+4の方が多い。(笑)

GM 即物的な。(笑)

コンラッド それに回避が減っても、防護点は変わらないからね。《防具習熟》が無駄にならない。

GM まあ、それも選択か。

コンラッド あと、余った経験点500点をつかってレンジャー技能を1レベルとりました。知力が高いので、ポーションの回復に期待します。ヒールポーション3本買って、ついでに指輪を買って器用度のボーナスブレイク。

ジブル 器用度上がったのなら、薬草も買いなさい。

コンラッド え〜時間がかかるじゃん。



※薬草による回復は、10分の時間を必要とします。



GM 戦闘後にダメージを残さないことも重要です。

コンラッド は〜い。

フリーダム よし、魔法習得完了。フェアリーテイマーのレベルを上げて3レベルにしました。火の魔法をメインにとって…

GM あれ?光の魔法を2ランクと火の魔法3ランク。あと水の魔法1ランク?光の魔法を別系統にしたほうがよくない?

フリーダム 火の攻撃魔法を早く取りたい。あと光はさっさと、「プライマリィヒーリング」がほしい。回復魔法を使えないと…

デニス ゴメンね、神官だけど前に出てしまって。

フリーダム ま、次のレベルにあがったら炎の攻撃魔法も取れるし。あ、戦闘特技は《魔法拡大/数》ね。上がった能力値は精神力。本当《魔法収束》で、《魔法制御》に行きたかったけど、妖精魔法は補助魔法もあるからね。宝石は買いなおし?

GM いや、足りない分買い足しでいいです。さすがに、ルール変更だからね。

フリーダム はいはい。まあ、もう魔晶石買うくらいしかないんだけどね。

ジブル そんじゃ、次はワシだな。能力値は器用度を上げるぞ。ボーナスブレイクも近い。あと、1000点でシューター技能を3レベルに。これでワシも戦闘特技が取れる。

デニス すいませんね。まだ2レベルで。

コンラッド マギテック技能は上げないの?魔力増えないよ?

ジブル いらぬ!!なぜなら、3レベルの戦闘特技で《武器習熟/ガン》を取るからじゃ。これで銃の威力に+1。実質魔力が上がるのと変わらん。さらに、貯めた金で新たな銃『ジェイザル』を購入。この銃はダメージ+1の修正が入る。そして、『ウィザーズドゥーム』のサプリにあるマギスフィアのカスタマイズ。100ガメル払ってマギスフィア(小)に<ソリットバレット>のカスタムをさせ、さらにダメージ+1。
なんと、この成長だけでダメージが3点も増えるんだ。

フリ−ダム 
で、今の魔力は?

ジブル 
2(笑)

コンラッド 
今回の追加分のほうが魔力よりも高いじゃん(笑)

(一同笑)

デニス で、私は経験値をためる。次の成長でレベルが上げられるはずだ。能力値は『精神力』をあげた。もうすぐボーナスブレイクだな。孤児院に300ガメル寄付する以外に装備を買い換えもない。

GM はいはい。では全員成長申告は終わったね。では、始めるとしますか。



GM では、前の日から5日ほどたちました。200ガメル

リッタ店長 「この前の冒険で懐も暖かいだろう。コンラッドだってカリナスを散歩するくらいの余裕があるだろうから、少しゆっくりしたら」

コンラッド ほうほう。では、さっそく、パフパフ屋を…

ジブル 
それは、もうええっちゅうねん(笑)

GM さて、ルーフェリア首都カリナスはエルリュート湖に面した港湾都市です。多くの水路を利用した美しい街で、水路を渡るための無数の橋、そして、水路を渡るボートと、水と生活が密着している街です。その為、エルフも多く、泳いでいる姿も多く見られます。さて、そんなカリナスですが、近年開国による来訪者の増加に伴い、新しい区画を作りルーフェリア神殿を移設しています。そのため、東部に作った新しい地区を「新神殿地区」。昔あらある西部の地区を「旧水路地区」と呼んでいます。旧水路地区は昔ながらの歴史ある町並みを、新神殿地区は最新の建造技術を取り入れた質実剛健なたたずまいになっている。

デニス さすが、水の国ルーフェリアだね。

コンラッド ヴェニスみたいな感じなのかな?

GM そうだね。さて、デニスさん。

デニス 私?

GM はい。ある日、デニスさんはシーン神殿に呼ばれます。

デニス ほうほう。ところで、シーン神殿があるのは新神殿地区?というか、私達がいる冒険者の店はどっち?

GM はい。まず君達が拠点としている冒険者の店<水晶の欠片亭>は、旧水路地区にあります。その為、皆さんの生活は旧水路地区がメインになるでしょう。そして、シーンの神殿ですが、これも旧水路地区にあります。主に経済的理由で。

デニス ですよね〜。

フリーダム ルーフェリアのシーン信仰ってどれくらい大きいの?

GM ルーフェリア国において、最も信仰されているのは水神ルーフェリアですが、他にも第一の剣の神々は信仰されています。それを見ると…

フリーダム 
うんうん。

GM 
シ−ンについては、まったく言及されていません。

(一同爆笑)

フリーダム 
アウトオブ眼中(笑)

デニス 神殿すらなかったりして。

GM 一応、旧水路地区のMAPにシーン神殿の表記がありますので、存在はしています。なんでも時報を知らせる役目を負っているそうです。とはいえ、神殿の位置を見ると、エルリュート湖から最も離れたカリナスのはずれ。この向こうには個人農園くらいしかありません。

コンラッド 知名度って大変だね。

デニス 普通に神聖魔法を使えるだけましだな。(笑)



※この世界では、信仰されていない土地でその神の神聖魔法を使うには、祠を建てる(有料)等の努力が必要です。



GM さて、話を戻そう。デニスがシーン神殿に来ると、シーン神官とデニスのいた孤児院の院長カマンさんが話をしている。デニスが神殿に来ると、カマンさんがそれに気がついて、手を振る。ちなみに、カマンさんはナイトメアだ。エルフの奥さんと一緒に、孤児院を運営している。

カマン院長 「デニス。元気そうで何よりだ。いつも援助すまないね。」

デニス いえ、この程度では受けた恩は返せませんから。

GM ちなみに、カマン院長だが、外見は疲れたサラリーマンのお父さんという風貌だ。小柄で少し猫背で、薄い髪から地肌とは別に小さな角が見える。

ジブル 
あれ?確かナイトメアは老化しないんじゃなかったか?

コンラッド 
えっ!?じゃあ。カマンさんは若いときから疲れたお父さんのような風貌だったの!?

GM ちがうちがう。

ジブル 
??呪いか何か?

GM 
あのな。ナイトメアの外見が老化しないのは先天的な要素だ。だが、人生苦労して老け込むのは後天的な要素で、種族の特性なぞ関係ない!!

ジブル 
心労こええええええええええ!!!

(一同爆笑)

GM さて、カマンさんだが、いつもと様子が違う。

コンラッド 「疲れたサラリーマン」「心労」「いつもと様子が違う」。このキーワードから導き出される答えは、どうしても『後がない』になってしまうんですが…

デニス 
そこっ。不吉なことを言わない!!(笑)

GM まあ、そういう意味ではなく、格好が孤児院での普段着ではなく、皮鎧を着て、武器と背負い袋を持ち、冒険者のような格好をしている。

コンラッド そして、疲れた風貌で髪が薄い。(笑)

デニス 
まさか、冒険者になるんですか?孤児院つぶれたりしたんですか!!

カマン院長 
「ふ、不吉なこと言わんでくれ。豊かでも楽でもないが、健在だよ。」

フリーダム 
デニス。あんたの発想のほうがひどいわ。

(一同爆笑)

デニス さっきのコンラッド君の発現でいやな刷り込みが…(笑)

カマン院長 「それに、冒険者になるのではなく、元冒険者なんだ。で、デニスとデニスの仲間達の力を借りたい。」

デニス どういう事?

カマン院長 「実は、孤児院なんだが、いつもどおり貧乏でね。何とかしたいと思っていたんだ。それで、シーン神殿の口利きで、シーン神殿の先にあるココリ農園から農園の一部を譲ってもらう話になったんだ。」

デニス 孤児院で農園をやるんですか?

カマン院長 「うん。とはいえ、買い取る為の金額は高額だ。分割で払うことにしてもらったんだが、それでも、最初にまとまった額を払う必要があのだが、どうしても5000ガメルほど足りないのだ。さすがに、これだけの額をデニス達にお願いするわけにはいかない。」

デニス まあ、駆け出しの冒険者ですからね。

ジブル ぶっちゃけ、最初って装備そろえて、生活費払った残りはカツカツだよな。いいバランスだけど。

カマン院長 「でだ、昔取った杵柄。冒険者として一発稼ごうと思っているんだ。それで、冒険者をしているデニスに手を貸してもらおうと思って呼んだんだよ。」

フリーダム 院長さんは強いの?

GM 話を聞くに5レベルフェンサーだね。セージ技能も少し持ってる。もっとも、万全とはいいがたい。アクセサリーは何も装備してないし、今装備している武器防具もBランクの普通の品でロングソードにハードレザー、バックラー装備だ

カマン院長 「昔使っていた装備は、とっくに売り払ってしまったからね。これらはシーン神殿からの借り物だよ。ただ、腕はさび付いていないはずだよ。」

ジブル ナイトメアでフェンサーか…魔法は使えないのか?

GM 魔法の発動体は持っていないようだね。

フリーダム 冒険のあてはあるの?

GM はい。それを聞くとシーン司祭が話してくれる。

シーン司祭 「その件は私が話しましょう。最近、首都カリナスの南西にある穀物地帯に蛮族の襲撃者が暴れまわっているそうです。その集団は魔法を使う用でなかなか手ごわいらしく、ルーフェリア神殿も片手間に神官騎士団を派遣するわけには行かないようなのだ。そこで、賞金をかけて冒険者に任せようとしているらしい。ルーフェリア神殿にはなしを通して、今われわれが解決すれば賞金1万ガメルの報償金を払う約束を取り付けた。」

デニス で、そこから5000ガメルを捻出すると。

カマン院長 「ああ、残りの5000は君達で、分けてかまわない。もちろん、他に拾ったものもだ。それと手強い相手は私が受け持つ。君達はその取り巻きを何とかしてほしい。」

フリーダム 
ゲゲッ。ドレイクとバジリスクとトロールがいるぞ、カマンさん任せた。(笑)

カマン院長 
「ま・か・せ・る・な。別に死に場所求めているわけじゃないからね。」

(一同笑)

デニス 
本当にそれだけ出てきて、報償1万ガメルでは安すぎる。

カマン院長 
「なあ、デニスや。報奨金ではなく、私の命の方の心配もしてくれないか。」

(一同笑)

デニス では、カマン院長と一緒に《水晶の欠片亭》へいって、みんなの意見を聞きますか。カクカクシカジカで、手を貸してほしい。

コンラッド ボクは蛮族退治できるならいいよ。

ジブル 特に不満はないな。

フリーダム う〜ん。報奨金の半分を持っていかれるのはきついが、他のものはコッチのものか。「剣の欠片」もコッチでもらっていいの?

GM どうぞ。もしカマンさんが倒した敵が、剣の欠片を見つけたら、そのまま君達のものにしていいよ。

フリーダム ふむ。ならば、まあいいか。強い敵もカマンさんが受け持つという話しだし。

カマン 「はい。ではよろしくお願いします。」

GM と、頭を上げるね。

フリーダム で、賞金首の手がかりとかあるの?

カマン 
(即答)「ない。」

フリーダム 
しゅ〜りょ〜。はい撤収。

(一同笑)

カマン 「まてまて、まずは情報収集と分析だ。詳しい情報をルーフェリア神殿とか冒険者の店で聞けば手がかりを得られるかもしれん。」

コンラッド なるほど、さすが元冒険者(笑)

カマン 
「なんだか、だんだん不安なってきた。」(笑)

コンラッド 冒険者のキャリアたったの二週間です。(笑)

ジブル ピッカピカの一年生だな。まあ、情報をあつめに行こう。

デニス じゃあ、ルーフェリア神殿に聞きに行くよ。シーン神官だけど、別に敵対してるわけでもないし、神官だから、無下にはされないでしょう。

フリーダム アタシは《水晶の欠片亭》で聞き込むか。

ジブル あ、ワシ新しく買ったジェイザルを磨いているんで。後はよろしく〜(笑)

コンラッド 
ボクは昼寝〜(笑)

デニス 
ほほう…

フリーダム 
ほう、ほぉ…

ジブル 
神殿までご同行させてもらいます。

コンラッド じゃあ、ボクはフリーダムさんと冒険者の店でダラダラしてる。

フリーダム 
働け冒険者一年生(笑)



GM さて、では冒険者の店から、解決しましょう。カマンさんは、君達に仕事を依頼する旨を、リッタ店長に報告。リッタ店長も詳しい事は聞かずに了承しました。

ジブル 詳しいことは聞かないのか?

GM あくまで依頼は君達と依頼人のカマンさんの直接交渉で結ばれたものだからね。冒険者の店の取り分はないから、君達への報酬も増える。その辺をカマンさんも考慮して、こういう依頼形態を取ったんだと思うよ。もちろん、<水晶の欠片亭>による依頼への保障とかはありません。

リッタ店長 「まあ、うちにはメリットもデメリットもないからね。一言断ってくれればいいよ程度の話なのよ。その代わり、自己責任でお願いね。」

ジブル 結構ドライなんだな。

GM 自由民の冒険者だからね。さて、カマンさんはデニス達と一緒にルーフェリア神殿へ向かってしまいます。

コンラッド さて、何を聞きますか。賞金首の蛮族の話は、まだ冒険者の店には着てないんですよね。

GM ええ、まだ依頼は来ていません。

コンラッド ッて事は、依頼内容については無理だということで、魔法を使う蛮族の情報でも集めよう。

フリーダム あとは、依頼人の背景情報かな。デニスの親族って事なんだろうけど、おろそかにはできないからね。

GM はいはい。では、依頼人の背景からかな。これは、リッタ店長が簡単に教えてくれます。

リッタ店長 「カマンさんかい。優秀な冒険者だったよ。まだ、ルーフェリアが開国した頃のゴタゴタした時期に名をはせた冒険者パーティーの一人さ。」

フリーダム ほうほう。元冒険者ってのは間違いないようだね。でも、その割には5レベルか。冒険者時代はフェンサーだったの?

リッタ店長 「『フェンサーでもあった』だね。魔法戦士だったはずだよ。何の魔法だったか…真言か操霊だったと思うけど。」

コンラッド あれ?シーンの孤児院運営だから、プリーストじゃないの?

リッタ店長 「いや、違うよ。同じパーティーメンバーで、今は一緒に孤児院を経営しているエルフがシーンのプリーストでね。懐かしいね。エルフの奥さんとアタシは幼馴染で、当時ライバル関係でね、ルーフェリアの龍虎と言われたものさ。」

コンラッド えっ!?カマンさんを取り合ったりしたんですか?

フリーダム どう見ても今じゃさえない親父なのに。

リッタ店長 
「あらやだ。そんなわけないじゃない。競い合ったのは…料理の腕よ。

フリーダム 
ちょっとまって。それ、どっちのベクトルで競い合ったの!?(笑)

(一同笑)

コンラッド ちょっとその辺詳しく話しを聞きたいけど、今回と関係ないからまたにしよう。とりあえず、カマンさんは魔法戦士で、今回はあくまでフェンサーとして復帰。ッてことでいいね。

フリーダム ちなみにレベルは?

リッタ店長 「確かあのパーティーは7レベル程度の冒険者パーティーで、カマンさんは最初は魔法戦士として前衛に出ていたようだけど、途中で魔法をメインにしたようだったわね。後セージ技能かな。」

フリーダム 使えないのか。使わないのか分からないけど、注意しておきますか。

コンラッド 魔法を使う蛮族を退治するんだけど、どんなのがいるのか聞いていいですか?

リッタ店長 「使う魔法によると思うし、魔法の習得には個人差があるから、一概にこれとはいえないけど、一部のゴブリンが妖精魔法や神聖魔法を使うし、真言魔法を使うオーガーや、神官魔法を使うトロールなんかも有名ね。あとは、ドレイクとかも魔法を使うはずよ。」

コンラッド ふむ。まあ、魔法を使うというだけでは絞れないね。

GM 一応、事前情報があるので、今回のシナリオ中では、これら上記の<怪物知識>判定では+2のボーナスを上げよう。



GM では、次にルーフェリア神殿です。当たり前ですが、シーン神殿と仲が悪いわけでもなく、特に確執があるわけでもなく、それよりもデニスさんはシーンの司祭ですらないので、特に優遇もされることなく、ルーフェリア神殿の司祭が対応してくれます。

デニス 別に強調しないでいいよ。(笑)

GM 一応、どんなことを聞くの?

ジブル まあ、今回の被害と状況かな。

司祭 「今回蛮族に襲われたのはカリナス南西にある田園地帯です。もともと、田園地帯では秋の収穫時期になると蛮族の襲撃があり、それに対抗する為ルーフェリア神殿が戦士団を派遣しています。ですが、今はまだ夏。収穫を狙った襲撃ではないようです。ルーフェリア神殿でも対応しようと思って入るのですが、秋の収穫期に向けての編成の前に、別口で派遣する余裕もなく、賞金をかけて冒険者に頼もうと思っていた次第です。」

デニス ルーフェリア神殿も結構腰が重いんだね。

司祭 「それにはいくつか理由があります。今回の被害が農場に限られている事、その為、蛮族の数は少数と推測され。おそらく十数匹程度であると思われる。結果、大きな脅威とみなされていないのです。」

デニス 農場?

GM 個人もしくは少数家族で運営する自給自足の農業形態だと思ってください。小作人を雇ったり、日雇い人足を雇うことで合理的、効率的に農業を行うことができます。もちろんその効果は”小規模な”という範囲から出ることはありませんが、軌道に乗れば小作人が農民となって農村に発展したり、高い経営手腕をもつ経営者が大農場にしたりする場合もあります。ある一定人数を確保しての開拓村と違い、初期投資が少なくて住むのが特徴です。

ジブル なるほど、今回はその少人数というのが狙われ理由というわけか。

司祭 「そうです。農場の被害は現在3つ。住民はすべて皆殺しで、生存者はいないそうです。外部とのつながりが薄い為、襲撃に気がつかず、被害が分からなかったことも、初動が遅れた原因です。農場といっても自衛できる程度の備えがあるはずです。警戒するように通達することができれば、もう少し被害を抑えることもできたのでしょうが。」

デニス 今は、その通達はしているんでしょ?

司祭 「もちろんです。自給自足といっても完全ではありません。塩などの調味料は、近くの農村などから買い入れる必要があります。そういった近隣の村から人を派遣して、周囲の農場に警戒するように通達を出しているはずです。」

デニス 被害のある農場はどこら辺?

司祭 「カリナスから2日ほど南ににある「ノボロ村」周辺の農場です。この村には小さいですがルーフェリア神殿もあり、今回の事件もそこから連絡がありました。ノボロ村は田園地帯の東の端にある農村で、これより東はいくつかの農場をのぞけばキプロクスの森です。おそらく蛮族はその森に潜伏しているものと思われます。」

コンラッド (ワールドガイドの地図を見ながら)結構広いね。この森。

司祭 「ええ、それにキプロクスという火を吐くモンスターが生息しているので、大規模な捜索は難しいでしょう。それは蛮族にも言えることで、少人数で動いている根拠でもあります。」

ジブル 状況的には蛮族を迎え撃つ形がいいな。

コンラッド あ、どんな魔法を使うか聞いてもいい?

司祭 「すいません。こちらも第一報で「魔法を使う蛮族がいた」としか聞いてないのです。ノボロ村で聞けばもう少し詳しい話が分かるかもしれません。」

ジブル ふむ。こんなものかな。あとは「ノボロ村」に行けばいいか。じゃあ、早速いくか。遅くなれば、他にも被害が出そうだし。

デニス うん。でもその前に、キャラクターシートを見て、恐ろしいことを発見したよ。

ジブル うん?どうした?

デニス 
今回はカマン院長からの直接依頼だから…前金の食料がない。(笑

(一同爆笑)

ジブル 
危ねえええええ!!またしてもGMの罠にかかるところだった。

GM 
勝手に状況を罠にして、勝手に嵌ってくれるならこれほど楽なことはない。さて、準備は整いましたか?

コンラッド そうだ。食料といえば…

フリーダム ん?

コンラッド カマンさんに確認しなくちゃ。奥さんの料理の腕を。

フリーダム そっちかい!!

カマン 「孤児院での料理担当は私だよ。」

(一同笑)

ジブル 
おい、ちょっとまて、お前が孤児院を出て冒険者してるって事は、今の孤児院の食事は!?

デニス こ、孤児院の子供達が!!!!(笑)

カマン 「大丈夫だ。5日分の食事は作ってきた。そして、1日2日程度なら孤児院の子供達は耐えられる…耐えてくれるはずだ。」

コンラッド 
あの…それ以上になったらどうなるんですか?

カマン 
「…私は今も多くの命を背負っている。」

フリーダム 
そこで自己完結するなぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!

(一同爆笑)

カマン 
「仕方ないだろう。私は孤児院の子供達同様、妻だって愛しているんだ」

ジブル ワシ達の最大脅威はどう見ても奥さんの料理によるタイムリミットのじゃねえか!!!



GM では、準備もできましたね。でゃ、ノボロ村まで移動します。余談ですが、村まではきちんと道があり、途中には村があります。小さいながらも宿屋があり、1,2時間遅れるけど余裕を持って行動すれば、途中の食料を消費しないでも宿屋で宿泊できます。食事は別かもしれないのですが、お弁当を持たせてくれるなど、保存食を消費しないと思ってもかまいません。とはいえ、宿代(20ガメル)+食事(5ガメル)+お弁当代(5ガメル)で30ガメルになります。追加料金を払えば、もっと豪華にしたりもできます。

ジブル リーズナブルだが…今回は急ぐ必要があるので、それはナシにしよう。

コンラッド そうだね。でも、帰り道なら、この辺考慮してもいいんじゃない?報酬も入る事だし。

ジブル そうだな。豪華な宴会も視野に入れて置こう。まあ、成功することが前提だけどね。

GM はい。では、皆さんが保存食をかじりながら移動して2日。ノボロ村に到着しました。周囲を畑に囲まれた典型的な農村です。特に珍しいものもなく、道なりに進むと、ルーフェリア神殿や酒場(兼宿屋)、雑貨店のならぶ広場に着きます。時間はお昼前です。

フリーダム じゃあ、事情を聞く為に村長の家かな?ルーフェリア神殿だっけ?

デニス 村長の家がどこだか分からないし、神殿に行って必要なら聞けばいいんじゃないか?

フリーダム そうだね。じゃあ、神殿へ行こう。

GM はいはい。ルーフェリア神殿に入ると、礼拝堂で話し合っている老司祭と恰幅のいい村人、まあ村長が話をしている。君達が来ると目を丸くするね。

老司祭 「冒険者の方々?もしかして本神殿から派遣されたかたがたか?こんなに早くにくるとは思っても見なかった。」

GM と歓迎してくれる。

コンラッド 早速で悪いけど、状況はどうなってます?

老司祭 「あいにく、よくはないです。さらにもうひとつの農場が壊滅しました。これで被害は、この村の周辺にある農場の半分以上になります。」

コンラッド ううむ。

老司祭 「今、他の農場には使いをやっているのですが…」

GM と、顔を曇らせる。

デニス どうかしたの?

GM すると、村長のほうをチラッとみてから話し始めます。

老司祭 「残りの農場に伝言をしようとしているのですが、村人達が怖がって誰も連絡に行ってくれないのです。この神殿の見習い神官のモロに行かせているのですが、農場自体が離れていてとても一度には…」

GM と、村長もすまなそうに頭を下げる。

村長 「農場の壊滅で村人達もおびえているんだ。運悪く遭遇したら、向こうは人族を皆殺しにするような連中だ。それに、農場との距離が離れている、下手すれば帰りは夜になるだろう。夜は蛮族の領域だ、夜中にまで出歩こうという奴はいないよ。かといって、いつ襲われるか分からない農場に泊めてもらうなど…」

GM 老司祭は村長をなだめるように肩をたたくと、君達に話しかけます。

老司祭 「君達はこれからどうするかね?できれば、見習い神官モロが連絡に行っていない農場に行ってもらえればうれしいが、襲われた農場で少し不振な所もある。そちらを調べて見れば何か手がかりが得られるかもしれない。」

フリーダム 不振なところ?

老司祭 「実は壊滅した農場の一つ。キプロクスの森に最も近いアーノルド農場には、小さいが『守りの剣』があったんだ。」

ジブル ほう。

老司祭 「もちろん、いつでも稼動させる余裕はないが、稼動できるようにはしていたはずだ。もちろん、それだけの期間を守れる備えもね。にもかかわらず壊滅している。蛮族の襲撃には何か裏があるのかもしれない。そう思っているんだ。」

コンラッド あ、そういえば、魔法を使う蛮族ってどうして分かったの?

老司祭 「3つ目の農場の襲撃に気がついた見習い神官のモロが、見にいったのだ。そのとき蛮族の魔法が農場を襲うのを見たそうだ。どんな魔法かは私も聞いてはいない。モロに聞けば分かるだろう。」

デニス その見習い神官のモロって人はどこにいるの?

老司祭 「農場に警告に向かっている。残っている農場は3つ。すでに警告を発しているバロック農場。まだ、警告に行っていないのが、カーチス農場とデビット農場だ。モロはカーチス農場に伝言に向かっている。今日の夕方には帰ってくる予定だ。」

GM アーノルド農場はここから片道4時間。バロック農場が片道7時間。カーチス農場とデビット農場は片道6時間だ。今は11時ごろ、日が落ちる夜は18時と思ってください。



※さて、ここでネタばらし。PCにはタイムスケジュールで行動してもらいます。とはいえ、短いタイムスケジュールですが、Pcにはいくつか選択肢を与え、それによって蛮族の襲撃に対し有利な情報、行動、襲撃時の防衛を行うことができます。ちなみに、農場の名前は頭文字のアルファベットでA,B,C,Dです。

A:アーノルド農場:壊滅。守りの剣があり、ある程度の備えはしていたはず。村から片道4時間
B:バロック農場:警戒する旨の連絡済。村から片道7時間
C:カーチス農場:現在連絡中。村から片道6時間。
D:デビット農場:未連絡。村から片道6時間



ジブル どうする?

コンラッド デビット農場に報告に行って、すぐそのまま帰ってくればいい。往復12時間なら、村に帰るのは23時だし。夜の移動になるけど、僕達は冒険者で武装しているからね。

ジブル 暗視ならワシも持っているしな。

フリーダム 私らの安全ってことを考えるなら、アーノルド農場で調査して、村で見習い神官を待つのが一番楽だけど。

コンラッド 依頼とは関係ないけど、ボクは生きてる人のために、できる限りのことはしたいな。

フリーダム だよね。

GM では、君達がルーフェリア神殿を出ると、先に神殿を出ていた村長が、少しばつが悪そうに話しかけてくる。

村長 「君達はこれからどうする気かね?もしアーノルド農場へ行くなら頼みたい事があるのだが。」

コンラッド 頼みたい事?

村長 「いや…その、さっき司祭様も話していたが、あの農場には『守りの剣』があったんだ。もし残っているなら、この村で友好に使えないかと思ってね。確かに今は農場しか襲われていないが、だからといってこの村が次に襲われない保障にはならん。もし持って来てくれるなら3000ガメル払おう。」

フリーダム ほほう。

ジブル コラコラ。まあ、気持ちはわからなくもないが、ちとこの村長の考えはドライだな。

GM 村の指導者としては当然とも言えるけどね。

デニス 個人的にはお説教に入りたいところだけど。

フリーダム キャラクター的には、お金大好きといいたいけど、パーティーの決定には従うよ。

コンラッド では、考慮の余地なくデビット農場だね。村長には、もし何かあればのろしでも上げてくれれば、すぐに救援に向かいます。とでもいっておこう。

GM はいはい。では、急いでデビット農場に向かいます。農場までは、あぜ道のような道が続いており、特に迷うようなことはありません。ほぼ6時間後。日がそろそろ傾き空が赤くなる頃に、デビット農場に到着します。

コンラッド 農場は健在?

GM はい。農場といっても、現実のような開放的なものではありません。周囲をたかさ2〜3mの木で作った柵で囲み、住居などを、その防御範囲内に納める形で配備されています。農場の住民はみな同じ建物で生活を共有することで、防御力の強化も図っているのでしょう。一番防御の薄そうな門ですが、それでも短剣程度では壊せそうもありません。

フリーダム まあ、収穫期に蛮族が襲いかかってくる地域だしね。

デニス 住人とか見える?

GM 時間が時間なので見えませんね。しかし、住居と思われる建物から炊事の煙が見える。どうやら晩御飯のようだ。

コンラッド まあ、門まで近づいてノックしますか。

GM 門をたたくと、建物の窓が開いて、鬚をはやした人間がのぞく。どうも食事中だったのか、口の周りにソースがついてる。

コンラッド すいまんせ〜ん。ノボル村から来たんですけど、デビット農場ですか?

鬚の男 「…そうだ。お前達冒険者か?冒険者がこんなところに来るとは珍しい。今門を開けるからちょっと待っててくれ。」

GM と窓が閉まり、しばらくすると鬚の男が門をあけて出てくる。

鬚の男(以後デビット) 「デビット農場へようこそ。こんな時間に来るなんて、晩飯目当てか?安心していいぞ。うちの晩飯は常に多めに作ってるのさ。納屋でよければ屋根つきの寝床を提供するよ。先客がいるが、気にはせんだろ?」

デニス なかなか、気さくな人ですね。

GM ワールドガイドでは、ルーフェリア国民は他人に施しをすることを美徳としているそうです。典型的な農民といったところでしょう。

ジブル すまんが、メシは後だ。ノボル村から伝言を持ってきた。最近、この辺に農場を襲う蛮族の集団が出るらしい。すでにいくつも農場が壊滅している。今からでも、周囲の警戒するようにとの伝言だ。

GM その言葉を聴くと、デビットさんの顔から血の気が引く。

デビット 「この時期に!?なんてこったい。あ、あんたら冒険者なんだろ?今晩泊まっていってくれないか?納屋なんて事はいわねえ。ベッドを提供するよ。いや、一晩なんていわず。2,3日この農場にとどまってはくれないか?」

コンラッド うっ。個人的には願いを聞いてあげたいけど…

謎の声 
「いけません、デビットさん。冒険者の方を困らせては…」

GM と、建物から出てきたエルフがデビットさんを止めます。

ジブル エルフ?

GM 
はい。ルーフェリア神の神官服をきたピッチピチのエルフです。

コンラッド 
ピッチピチ?

デニス 
何に反応しているんだ?(笑)

コンラッド 
若さゆえって奴です。(笑)

ジブル ルーフェリアのプリーストか。

GM 
身長2mほどの筋骨隆々としたエルフです。ルーフェリアの神官服がはちきれんばかりのマッスルボディに美しく優雅な顔が乗っかっています。

コンラッド 
騙されたぁぁぁぁぁぁ!!!

(一同爆笑)

フリーダム 「怪物知識」判定していいですか?(笑)

コンラッド だまされた〜。どこがピッチピチ〜。

GM 
神官服がピッチピチ。

ジブル 
そっちかい!!

(再度爆笑)

ムキムキエルフ(以後エリオーン) 
「冒険者ノ皆サーン。ハジメマシテ。私ハるーふぇりあノ神官えりおーんイイマース。ココニハ一晩ノ宿ヲ求メタノデース。」

コンラッド 
なんか、言葉が突然外人っぽくなった!?

GM 
(わざとらしく)すまんすまん。NPCのロールプレイを忘れていたよ。

コンラッド 
嘘だ!!

(一同笑)

GM 今回はNPCがいっぱい出るからな、ロールプレイで差別化をはかったのだ。彼はこういうキャラなんだよ。

ジブル …まあ、ともかく。何でルーフェリアの神官が一人でこんなところにいるんだ?

エリオーン 
(ポージングしながら)「私ハ未熟ナ神官デース。コウヤッテ布教ヲシナガラ修行シテマース。」

フリーダム 
わざわざポージングするな(笑)

GM まあ、説明すると托鉢僧のように、巡礼する者です。神殿のない寒村や、農場をまわって神事を行ったり、神殿の手伝いをして糊口をしのぎ、修行している僧侶です。まあ、遠くに布教する神官の初級辺みたいな感じです。

エリオーン 「タマタマ、コノ農場ニ泊メテモラッタノデース。コノヨウナ事態デース。私ハコノ農場ニトドマリマース。冒険者ノ皆様ハ。ハヤク蛮族ヲ倒シテクダサーイ。」

GM 農場主のデビットさんも、存在感あふれるルーフェリアの神官の言葉に、君達を無理に押しとどめるのはあきらめたようだ

フリーダム 
あっ。農場主さん。まだいたんですか?

ジブル ひでえ。(笑)

コンラッド 
おかしいな、さっきまで主要人物だったのに、突然存在が抹消されたように消えていたよ。

(笑)

GM デビットさんは、顔面蒼白になりながらも、建物にいる住人に指示を出している。君達が出て行ったら門を閉じるて、見張りを立てるようだ。

コンラッド 夜だけど大丈夫なの?

GM ルーフェリアの人口の3割は[暗視]をもつエルフだからね。当然、農民にもエルフがちらほらいるよ。デビットさんは、建物に入ると、何かを持って出てくる。

デビット 「冒険者さん。詰まらんものだが、うちで作ったハムだ。帰りにでも食ってくれ。もし蛮族が襲ってきたら、この角笛を鳴らす。そしたら急いで戻ってきてくれよ。」

GM と、1日分の食料になるハムを渡して、建物に着いた大きな角笛を指差す。

デニス へ〜。そんなのあるんだ。

GM まあ、片道6時間って事は十数kmはなれているんで、音が届くかは風の具合とか色々あるんだけどね。狼煙を炊くこともできるけど、蛮族が襲い掛かってくるのは基本夜なので、あまり役に立たなさそうだ。

コンラッド まあ、離れているからね。…あれ?

ジブル どうした?

コンラッド 他の農場って蛮族が攻めてきた時、角笛とかで警告とかしなかったのかな?

フリーダム 離れていたんじゃないの?

コンラッド でも「守りの剣」のあった農場(アーノルド農場)は、ここよりももっと村に近いよ。

ジブル ふむ。調べに行ってみるかな?

エリオーン 
(ポージングしながら荒い息)「フーッ!!ハーッ!!」

ジブル 
うるせーーーー!!!

(一同爆笑)

デニス ポージングしながら荒い息使いをやめて。(笑)

GM 
いや、ちょっと存在感をアピールしようかな〜と。

フリーダム 
アピールいらないぐらい存在感は出してるよ。(笑)

(一同笑)

ジブル 何かいいたいことでもあるのか?

エリオーン 「イイエ。アマリ遅クナルト。夜ニナリマース。急イデ戻ッタホウガイイデスヨ。」

コンラッド わかってるよ。

ジブル んじゃ、さっさともどりますか。



GM はいはい。では、夜もふけた頃に、ノボロ村に戻ってきました。途中で角笛の音も、蛮族の襲撃もありません。

デニス では、見習い神官の話を聞きに行きますか。ルーフェリア神殿かな?

フリーダム 見習い神官が途中で捕まったりしてないかな?

GM ルーフェリア神殿に戻ると、老司祭と、エルフの若者が待っていてくれる。

コンラッド またエルフか!?

GM 今回は、華奢な、優雅な体型のエルフですね。きちんと体型にあわせた神官服を着ている。

ジブル なぜだろう。普通の人のはずなのに、とたんに存在感が…

コンラッド 絶対混同しないけど、コノ見習い神官は忘れそうだ。(笑)

(一同笑)

GM ひどいな。さて、老司祭は君達の無事を喜ぶと、見習い神官のミロを紹介してくれる。金髪を肩で切りそろえた清潔な感じの若者だ。エルフではあるが、年齢は若いようでおそらく成人したばかりなのだろう。

神官服に似合わない長旅用の頑丈なブーツを履いている。

ミロ 「はじめまして。蛮族退治の冒険者の皆さん。私が見習い神官のミロです。何か聞きたい事があるそうで、なんでしょう?」

デニス 蛮族の襲撃を目撃して、魔法を使う蛮族を見たといいましたが、どんな魔法だったかおしえてほしいのです。

GM すると、ミロは思い出すように、事件の話をします。

ミロ 「あれは5日前の夜でした。トイレに起きた時に、東の空が明るかったんです。最初は火事かと思いました。森に住むキプロクスは火を吐きますからね。あの森は火に強い種類の木々が多いので、たいていはボヤで終わるんですが、状況だけは確認しなければと向かったんです。司祭様はあの年齢ですし、私はエルフで夜目が利きます。小さい頃に狩人としての手ほどきを実家で受けたので、夜の道でも迷いはしませんでした。それが見えてきた段階で、火事ではないことに気がついたんです。エランド農場が燃えてました。遠目ですが、戦闘になっているのがわかりました。燃える炎の明かりで状況が絶望的だというのがわかりました。その時は、まだ何人か燃え落ちていない建物の高台から矢を射掛けていたようでしたが、光を放つ魔法が高台を貫いてそれっきりでした。私は見つからないように、腹ばいになって、その場を離れました。周辺に逃げ延びた人がいないと思います。」

フリーダム 光か。真言魔法のエネルギーボルトかな。

カマン 「ふむ、真言魔法か操霊魔法のスパークかもしれない。後は妖精魔法にエネルギー系の魔法があ

ったはずだ。」

フリーダム おお、そういえばカマンさんがいたね。魔法に詳しいの?

カマン 「いや、造詣が深いだけさ。襲撃現場を見てみれば何の魔法かわかるだろう。」

デニス フム。カマンさんは魔法を隠してるのかな?孤児時代にカマンさんが魔法をつかったことはあった?

GM いや、ないね。もしかしたらつかったのかもしれないけど、あからさまに魔法という魔法を使ったことはない。

コンラッド (メモを取りながら)エランド農場というのは?

GM ここから3時間ほどの場所にある農場です。すでに壊滅した農場の一つですね。

コンラッド コッチはもっと近いね?この農場に、警戒用の角笛とか鐘とかってなかったの?

老司祭 「いいえ。ありました。しかし、当日のエランド農場の角笛も、それ以外の農場の襲撃を知らせる音もありませんでした。」

ジブル おかしいな。よほどうまく奇襲をしたのか?まあ、毎日見張りを出したりはしてないと思うから不意をつけばわからんけど。

GM 常識的な話だけど、こういった農場では犬を飼っていて、番犬代わりにしていることが多いよ。

デニス 4つの農場がすべて完璧に不意をつかれたとは考えにくいね。

コンラッド 襲撃を受けた農場も調べてみるか?

GM もう深夜だけどこのまま移動する?徹夜をするとすべての判定に−1ペナだよ。

ジブル 一晩休もう。敵が魔法を使うなら精神抵抗にまでペナルティが入るのは避けるべきだ。

コンラッド 見張りを立てて寝よう。角笛の音を聞き逃したくないし。



GM では、特に角笛の音も聞こえることなく、次の日です。

デニス 襲撃を受けた農場ってどれくらいあるの?

GM 全部で4つですね。アーノルド農場が4時間。エランド農場が3時間。フィリップ農場が5時間。グレイ農場が6時間。ちなみに、これは道を通っての時間なので、道のない農場と農場の間を直進すると、道に迷ったりして余計に時間を取られたりするよ。

デニス 今の時間は?

GM 朝の7時だね。日没はおそらく18時ごろだ。



※さて、2日目です。現在の状況を軽く整理しておきましょう。

A:アーノルド農場:壊滅。守りの剣があり、ある程度の備えはしていたはず。村から片道4時間。
B:バロック農場 :警戒する旨の連絡済。村から片道7時間。
C:カーチス農場 :警戒する旨の連絡済。村から片道6時間。
D:デビット農場 :PCが連絡済み。ルーフェリアの神官エリオーンがいる。村から片道6時間。
E:エランド農場 :壊滅。村から一番近い。村からか片道3時間。
F:フィリップ農場:壊滅。村から片道5時間。
G:グレイ農場  :壊滅。村から片道6時間。

となっています。



フリーダム アーノルド農場の調査と回収希望。

コンラッド (何か計算しながら) エランド農場だね。

フリーダム なんですと!?

コンラッド いや、二つ調査すると、それで日が暮れてしまうから、まずは、近場を調べる。エランド農場なら、何か手がかりを見つけてまだ残っている農場に駆けつけても、日没直後に到着できる。片道1時間多いってことは往復2時間だからね。最悪、エランド農場で何も見つけられなければ、その時アーノルド農場に行けばいい。

ジブル エランド農場まで往復6時間。そこから一番遠いデビット農場まで6時間で計12時間。19時には農場につける計算か。

フリーダム むう。

デニス ま、エランド農場で手がかりがなければアーノルド農場にいけばいいじゃないか。

ジブル まあ、「守りの剣」なんて、厄介な代物を蛮族が残しはしないと思うけどな。

フリーダム まぁ。それもそうだね。さっきも行ったけどパーティーに決定には従うよ。考えてみれば、別に時間指定なんてないから、蛮族を倒し終わってから探しに行ってもいいんだし。



GM では、みなさんは早朝に出発し、3時間。エランド農場が見えます。すでに、襲撃による火は沈下していますが、建造物は焼き崩れ、ほとんど無傷の木でできた外壁だけが残っている。

ジブル 中を調べることはできる?

GM 農場に入ることは可能です。門が開いているため、外壁を乗り越える必要はありません。ただ、中の建物というと、難しいでしょう。ほぼ完璧に破壊されています。構造はデビット農場と同じで、みんなで生活する為の住居。厩舎。作物を入れる蔵があるだけです。

コンラッド 水場は?

GM 水源の豊富はルーフェリアでは、井戸を掘るところもありますが、ここはすぐ横に小川が流れているので、井戸はないね。

コンラッド 水に毒をまくというのも無理だね。

デニス カマンさんと一緒に、魔法の痕跡を探していい?

GM どうぞ。程なくして壊れたところにいくつかの痕跡を見つける。

カマン 「これは、真言魔法のエネルギーボルトだな。初級レベルの魔法だ。」

ジブル 真言魔法か、では次に、何気にGMが何度も描写した外壁を調べるか。(笑)

GM 
(内心:強調しました)ノーコメントにしておきますね。さて、農場の外壁ですが、思いのほか無傷です。内側が少し燃えた後がありますが、破壊された後がありません。

ジブル 蛮族はどうやって入ったんだ?

GM おそらく、門からでしょう。君達も外壁をよじ登る労力を必要とせず、開かれたままの門から入ってきています。

ジブル 門の鍵はどうなってる?

GM 閂ですね。閂ははずされたようで、破壊されたわけではありません。

ジブル 誰かが中から開けたんだな。真言魔法を使って、そんなことができる蛮族がいるな。

フリーダム オーガだね。エネルギーボルトって事だからレッサーオーガかな?

GM 本当は「怪物知識」をしないとわからないんだけど、カマンさんが知っています。

カマン 「蛮族のオーガ種は、人に化ける能力を持っているはずだ。旅人のフリをすれば農場の中に入ることもたやすいだろう。オーガは真言魔法を得意とする魔法戦士だ。魔法がエネルギーボルトのような初級の魔法である点から、オーガの下位種レッサーオーガである可能性が高い。魔法の痕跡による魔力の高さからも、未熟な下位種である事を示唆している。」



※元冒険者NPCが昔の冒険でオーガーを知っているということにすれば判定の必要もないといえる。必要な情報を確実に与える為にNPCを使うのは有効。まあ、先のジブルとフリーダムの推測が出ることを前提としてですが…



コンラッド 足跡を調べてもいいかな?5日前なら難しい?

GM そうでもないよ。火による墨や灰によって足跡は十分すぎるほど残っている。レンジャー技能かスカウト技能の「足跡追跡」をお願いします。

コンラッド 「8」で『11』

フリーダム 1ゾロ。50点。

GM まだ、現場には多くの足跡がある。ゴブリンの足跡のようだ。その中に、ひときわ目立つ巨大な足跡がある。

フリーダム どれくらい?

GM 一つ目の足跡は、3m近い身長があるんじゃないかという足だ。裸足で、強靭な脚力を持っていると思われる。

フリーダム 
エルローンか!?

GM 
エルローンは2mですし、ちゃんと靴を履いてますよ。

フリーダム エルローンの性格に、暴れるときに靴を脱ぐ趣味とかない?

ジブル 
興奮状態になると靴だけちぎれ飛ぶんじゃないのか。

GM 
どんな特殊な生命体だぁぁぁぁ!!!

(一同爆笑)

GM 
後、巨大なもう一つの足跡なんですが、これは先ほどよりは小さいです。

コンラッド よかった。3mよりも大きな足跡って言われたら、カマンさん囮にして逃げるくらいしか思いつかないや。

デニス 
それをすると私の育った孤児院が終わってしまう。主に食糧事情で。(笑)

カマン 
「できれば、失われる事が前提になっている私の命を心配してくれないか?」

GM 
話を戻そう。そちらも普通に比べれば十分大きな足跡です。身長2mほど。しかも、不思議なことに、コノ足跡は靴を履いています。

(一瞬の沈黙の後、一同大爆笑)

コンラッド 
あ、あの、エルローンさんは靴をはいていましたか?(笑)

GM もちろん体にあった靴を履いていました。

ジブル あれ?なんだか容疑者が極めて限定されてきていませんか?

GM すると、カマンさんもポツリとつぶやきます。

カマン 
「そういえば、あのルーフェリア神官服は体の体型にあってなかったな。普通はもっと余裕を持って作られるはずなのに。」

コンラッド 
えええええ!!あのピッチピチって描写は伏線だったの!!?

(一同爆笑)



※GMの内心を暴露します。
超狙っていました。わざわざ、比較対象として普通の神官服をきたミロというエルフNPCを登場させたほどです。



デニス なるほど、ルーフェリアの神官って事なら、
怪しまれずに農場には入れるね。

ジブル 
あのエルフは、怪しいけどな(笑)

コンラッド 
つい入れちゃうんじゃない?圧倒されて(笑)

フリーダム んじゃ、急いで農場に戻りますか。あれっ?昨日の段階でデビット農場にいたって事は、もう昨晩のうちに襲われているのか?

コンラッド 急いで戻ったほうがいいね。

GM はいはい。では、1時間ほど調査をしたので現在11頃です。3時間かけてノボロ村へ、そのままデビット農場まで6時間かかりますので、到着は20時。もう、日は落ちています。

コンラッド 農場は?

GM まだ無事ですね。外見は。

デニス 門はあいてる?

GM いや閉まっているね。

コンラッド 門をたたきます。デビットさーん!!

GM では、しばらくすると建物の窓からデビットさんが君たちを見つけます。

デビット 「おや、冒険者の皆さん。こんな時間に?」

コンラッド 開けて開けて早く!!

GM コンラッドの剣幕に、驚きながらもデビットさんは門を開けてくれる。

デビット 「どうされたんです?こんなに急いで、何かあったんですか?」

コンラッド エイリークさんはどこにいます?

GM すると、デビットさんは、住居になっている建物の屋上を見ます。

デビット 「エイリークさんかい?彼は今見張りにたっているよ。昼間に薬草とか集めてくれたので、疲れているだろうと思ったのだが、率先して見張りをやってくれてね。いやはや、立派な神官さんだよ。」

デニス 屋上?なんで?

GM 農場で一番高いところだからです。物見やぐらのような物はありませんので、簡易的な見張り代になっています。まあ、雨が降ったり風が吹くとふきっさらしなんですがね。

ジブル 薬草か。

GM [暗視]を持ってるジブルが見上げると、エイリークと思われる人影がこちらを見て、すぐ見えなくなる。

ジブル 急いで中に入ろう。

GM 建物内部は簡素なつくりです。一階が大広間兼食堂と台所で、住民の半数が、まだここでくつろいでいます。といっても、武器を手元に置いていたり、修理道具や弓矢が壁際においてあったりします。君たちの来訪に驚いているようだ。

ジブル 屋上への道は?

GM 大広間は吹き抜けで、階段が二階に続いていて、2階は寝室スペースです。階段を上った踊り場にかかっているはしごであがる必要があります。屋上への扉は落とし戸で、開いたままになっています。

コンラッド じゃあ、上がるね。

GM 武器は抜いているのかい?

コンラッド まだ抜いてないよ。犯人じゃない可能性もあるからね。

ジブル コイツ以外に条件に合致する奴がいるとは思えないがな。(笑)

フリーダム 
このマスターだ。侮ってはいけない。(笑)

GM ひどいな。では、屋上に出ました。全員出ても特に何もありません。エリオーンさんももちろん、君達に気がついて見張りをしている、屋上の端から君達のほうを見ている。まあ、距離としては10mです。

エリオーン 「オー。冒険者ノ皆サーン。ドウシマシタカ?コンナ夜中ニ出歩クノハ危ナイデスネ。」

コンラッド オーガーの人化を見破るにはどうすればいいの?

GM 「真偽判定」というのがある。冒険者レベル+知力ボーナスで判定し、成功すれば人化した相手がおかしいことに気がつけます。

コンラッド 冒険者レベルが3で、知力ボーナス2だから「6」で『11』

デニス 『10』

ジブル レベル3で知力が1だから基準値が4か…「5」で『9』

フリーダム 6が基準になるから…「3」?あれ?『9』

GM (レッサーオーガーのレベルは4か。「6ゾロ」…6ゾロかよ『16』かよ!?)
おかしなところは見つからないね。

デニス 
なんでだろう。おかしなところが見つからないというところにショックを受けるんですけど。

(一同爆笑)

フリーダム 
もう普通に戻れない。(笑)

ジブル 
別に蛮族だと見破れなくてもいいから、おかしいと見破りたかった(笑)

コンラッド でもどうしようか。殴りかかる?

GM では、カマンさんがデニスに指示を出します。

カマン 「デニス。<バニッシュ>の魔法だ。エリオーンさん。申し訳ないが、あなたの疑惑を解くためだ。抵抗しないでもらいたい。」

ジブル あ、きちんと、レッサーオーガーの説明に「バニッシュかけて反応で見破れる」と書かれてる。



※ライフォスの特殊神聖魔法「サーチバルバロス」などが便利です。



GM そういわれると、あきれるようにエリオーンさんは肩をすくめます。

エリオーン(?) 「残念、惜しいところだったんですが、仕方ありません。イースゴゥ!!」

GM と、奇妙な声を上げます。汎用蛮族語を知ってる人いますか?

フリーダム はい。

GM では、汎用蛮族語で何かに動くように叫んだようです。では、先制判定。



さて、戦闘です。大広間では、エリオーンが昼間の間に招き入れていたインビジブルビーストが1階の人を無差別に襲います。これに、パーティーを二つに分けて対応したのですが、屋上から飛び降りて逃げるというレッサーオーガの意外な行動に、PC達は後手後手にまわります。結果、門の閂を破壊されてしまいました。動でもいい話ですが、このレッサーオーガ。一回も魔法使わなかったわ…
3−1 「2mの魔法戦士?」



GM では、オーガーを倒すことができます。閂は壊れてしまいましたが、閂でなくてもつっかえ棒で門を抑えることもできるはずです。

ジブル ふむ、今晩襲ってくるのか。

フリーダム こんだけ、ドンドンバリバリやってれば、見張りくらい立ててるだろうから、ばれるね。

ジブル だが、予測は立てられる。エリオーンが見張りにたっている時間に襲い掛かってくるはずだから、何時から何時までエリオーンが見張りだったかをディックさんに確認しよう。

コンラッド それじゃ、その間に怪我してる人を治すね。3個救命草を持ってるから、これで直せるよ。

GM ディックさんは、青い顔をして

ディック 「エリオーンさんの見張りはあと2時間くらい…」

GM と言うと、まるで震えるように自分の両肩を抱くとひざから崩れ落ちる。

デニス え〜。ちょっとなにがあったの!?

GM さらに、建物の中で治療しようとしていたコンラッドは住人が、突然痙攣を起こし始めることに気がつく。

ジブル 毒か?

フリーダム エリオーンが料理でもしたの?

GM 痙攣するディックさんが、息も絶え絶えに

ディック 「み、んなで…強壮になる…薬草を…入れた酒を…」

フリーダム 薬品知識でなにかわからない?ルールブックには解毒方法もわかるって書いてるけど。

GM はい。レンジャーかセージ技能+知力ボーナスで判定してください。目標は10です。

フリーダム 「7」で『10』

コンラッド 「10」で『13』

GM 結構メジャーな毒草の効果だね。致死性は低いけど、嘔吐、寒気、痙攣を起こす毒草だ。すぐに吐かせれば、効果は軽減する。

コンラッド 吐かせます。

GM はい。さすがに痙攣して意識不明という人はいないけど、みんなフラフラです。まともに戦闘はできそうもない。

ジブル ああ、つまりここの守りは俺達だけでやらなきゃならないって分けだね。

GM そうです。さて、全員「危機感知判定」をお願いします。屋上にいるジブルは+2のボーナスを上げよう。おっと、[暗視]ない人は−2のペナルティーをあげよう。建物の中の人はさらに−2。ちなみに、3回降ってください目標値は「12」「10」「8」。誰か成功した段階で、襲撃に気がつきます。

ジブル もう来たのか。スキルないから平目で暗視ペナルティーはなし。『9』『9』『9』って全部で目が「7」かよ!?最後の奴は気がついた。

フリーダム スカウト技能あるけど、−4のペナルティで実質ヒラ目だね。『5』『11』『10』で3回目で気がついた。

コンラッド ボクは平目ですらないよ。『4』「1ゾロ」『4』最後まで気がつかないわ。治療にいそしんでいます。

デニス 外にいるつもりなので、ペナルティーはなし。でも平目か。「7」「8」「6」気がつかないや。



※第二話でもありましたが、誤ルールです。ナイトメアに[暗視]はありません。



GM では、3回目で判定に成功したので、1Rの余裕をあげましょう。これは、警告を発してみんなが外に出て戦闘体制をとってなお、1Rの猶予があります。状況ですが、門を閉める余裕はもうありません。閉めても、閂をかける前に敵が来ます。農場の中庭にいるなら、特に何の問題も特典もなく戦闘になります。屋上にいる場合は、近接攻撃は来ませんが、必要な射程が+10mされると思ってください。建物の中なら、乱戦エリアを限定させることができますが、屋上からの援護はありません。

デニス 敵はどれくらいいるの?

GM 全部で8匹。3種類です。3mの巨大な蛮族が1体。すでに見たことのあるボガードが2体に、ゴブリンが5体です。弱点看破もあるので、「怪物知識」判定は3回やってください。3mの蛮族には+2のボーナスを入れてかまいません。

コンラッド 6ゾロ。『10』。6ゾロ。6ゾロが二回も…こんなところで出ないでも…。

ジブル 悪いことじゃないんだからいいじゃないか。(笑)

フリーダム 「5」『9』「7」『11』「9」『13』

GM 3mはトロールですね。6レベルモンスターで、神聖魔法を使い、全力攻撃もする蛮族の神官戦士です。弱点も抜けたので魔法ダメージ+2です。ボガードの弱点は抜けてない。ゴブリンは弱点を抜けて魔法ダメージ+2です。

デニス 1R支援魔法をかけていいんだよね。【フィールドプロテクション】をかけます。これで、全員の防護点に+1です。

コンラッド 支援も何もないんだけど…あ、明かりがなかったんだ。もうついてる明かりとかある?

GM 1階の食堂では、部屋の中で使ってる松明があるよ。

コンラッド じゃあ、それに火をつけて中庭にばら撒く。

フリーダム それいいね。アタシもそれにするわ。

ジブル ワシが【フラッシュライト】を使うか?前面を明るくするから問題ないだろう?

GM おっと、その魔動機術の【フラッシュライト】はサプリ『ウィザーズ・トゥーム』で「分類:変形」になったから。1個しかマギスフィアを装備していないジブルがそれを使うと、他の魔動機術が使えなくなるぞ。

ジブル そうなのか?

フリーダム まあ、松明ばら撒く時間くらいあるでしょ。それでいい?

GM はいはい。明るさによるペナルティはなくていいよ。カマンさんも武器を抜いて戦闘体制です。

カマン 「トロールは私が抑える。雑魚を頼むぞ。」

GM みると、移動力の差かトロールが先行してるね。3Mの巨大な蛮族がこれまた巨大な武器を掲げて向かってきている。

ジブル 6レベルか。死ねるな。

カマン 「勝手に殺さないでくれ。」

ジブル ワシらなら死ねるって話です。(笑)

デニス ちゃんと回復しますよ。(笑)



さて、クライマックスでもある蛮族の襲撃ですが、数で押す作戦で向かいましたが、フリーダムの瞬間最大爆発<ファイアーボルト>で雑魚壊滅。期待のトロールもカマンさんの回避力を突破できず≪全力攻撃≫の隙を疲れてダメージを負います。後半戦でようやく支援魔法を自分にかけて戦いだしますが、すでに大勢は決しました。
3−2「3mの神官戦士」


フリーダム では、剥ぎ取りますか、…レッサーオーガの分も入れて、総計で1470ガメルになります。

ジブル レッサーオーガの戦利品で600がめるの銀貨袋が出たのはいいボーナスだったな

GM それと、トロールから<剣の欠片>が6個見つかった。もちろんカマンさんはそれら一切に手をつけないよ。


フリーダム 契約どおりだね。

カマン 「というか、傷を治してくれないか。最後の一撃で3分の1はもっていかれたんだ。」

デニス はいはい。

GM さて、蛮族はすべて退治しました。一晩もすると、毒草で動けなかった農民たちも復活します。君たちに感謝して、自慢のハムや作物などを持たせてくれます。基本帰りは豪華な食事ができるでしょう。

コンラッド わ〜い。

GM 特にほかに用事がないようなら、ノボロ村に報告した後、君達はカリナスに戻ります。ルーフェリア神殿に報告に行くと、約束どおり1万ガメルの報奨金を出してくれます。カマンさんも、それでホッと一息つきます。

カマン 「皆さんお疲れ様。そしてありがとう。どうだろう、たいしたおもてなしもできないが、孤児院に来てはくれないか?腕によりをかけてご馳走しよう。」

フリーダム お、いいの?

カマン 
「早いところ帰らないと、粗食に耐える孤児達に妻の料理が振舞われてしまう。」

(一同爆笑)

ジブル おお、ワシら、キチンと期限内に帰ってきてるぞ。(笑)

デニス 孤児たちは無事だね。(笑)

GM 招待を受けるなら、君達はカリナスのはずれにある簡素な孤児院に向かいます。庭先で遊んでいた孤児たちがカマンさんを見つけ伝えたのか、孤児院から一人の女性のエルフが出てきます。

コンラッド 
身長2m?

(一同笑)

GM この世界のエルフは身長2mのマッチョではないよ。エルフの奥さん−−名前はフレアさんといいますが−−は、帰ってきたカマンさんに大きな傷がないことを確認すると、目に涙を浮かべて無事を喜びます。

フレア 「無事でよかった…。デニスも怪我はないね。」

GM 君達に声をかけます。

デニス もちろんです。

GM では、奥さんはカマンさんの手を握ったまま、皆さんを孤児院に招待します。

フリーダム 招待は受けますが、料理はカマンさんにお願いします。

GM まあ、そんな感じで孤児院に戻るのですが。奥さんが声をかけます。

フレア 
「ところで、あなた。操霊魔法は使わなかったんでしょうね?」

GM 
その瞬間。カマンさんの肩がビクッ!!と跳ねる。


(一同笑)

ジブル ああ、魔法を使わなかったのは奥さんのせいか。

カマン 「も、もちろんだよフレア。なあ、デニス。私は魔法なんて使わなかったよな。なんせ、発動体すら持っていかなかったんだから…」

コンラッド 
でも《魔力撃》はしました。(笑)

カマン 
「ちょ!?」

GM 
その瞬間。カマンさんの体が宙を舞った。その突然の怪奇現象とも言える動きは、カマンさんの手を握るフレアさんの左腕一本で完璧にコントロールされていた。そして背中から地面に叩きつけられるカマンさん。

ジブル 
この奥さんグラップラーか!!!!

(一同爆笑)

デニス 投げグラップラー。しかも《投げ強化》があると見た。(笑)

カマン 「ブベラッ!?」

フレア 「あなた…そうでなくてもナイトメアという事で後ろ指さされているのに、これで操霊魔術を使うなんてわかったら、なんて言われるかわかっているのか・し・ら」

カマン 
「いや、こ、これはっ(ブシッ)」

GM 
さらに地面に横たわるカマンさんに振り下ろされる右足。

ジブル 
《踏・み・つ・け》!!

(再度爆笑)

GM 沈黙するカマンさん。にこやかに

フレア 「さあ、どうぞ。お茶をお出ししますわ。」

ジブル 
サーイエッサー!!

コンラッド 
イェス。マム!!

フリーダム 
ああ、うちのパーティーが一瞬で服従した。(笑)

(一同笑)

GM では、皆さんは孤児院で、ささやかな食事が出されます。実際には、ここで報奨金の分配が行われると思ってください。

フリーダム はいはい。

一同 (特に発言なし)

GM …

一同 ?

GM 
君達は納得した。

一同 


GM 
このフレアさんは、立ち居地は違うが、間違いなく<水晶の欠片亭>の女将と同じ領域に立っていると。

デニス 
あーーーーーーーー!!!!

フリーダム 
ああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!

GM 
誰も食べないっていわなかったよな。納得して食べたよな。

ジブル 
謀ったなGMぅぅぅぅぅぅぅ!!!!

(一同爆笑)



※はい、今回は謀りました。


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******* お ・ ま ・ け *******


GM 本当は今回、エリオーンさんは、もっとまともな普通の女エルフで、ボンキュボンのナイスバディなルーフェリア神官の予定だったんだ。

ジブルPL ほう。まともだな。

GM まあ、オーガの正体を出しても、
ボンキュボンの女言葉で気持ち悪いキャラになる予定だったんだ。

ジブルPL ほ、ほう。まあ、それはそれとして、なぜそうしなかったんだ?

GM 人化中は、あまりにも普通の神官でね。まあ、破壊された農場で、手がかりを出して怪しくなる予定だったんだが、このまま続けていくと、
もしかしたら「このGMが、まともなNPCを出してきた。コイツは怪しい。」と思われてしまうんじゃないか心配になってね。

ジブルPL 
…たぶん、そんな心配するGMは、お前くらいなものだと思うぞ。