第一話 新米冒険者と調和神の神像


GM では、各自簡単な自己紹介をしてください。

PLA(以後コンラッド) 一般市民代表コンラッドです。ファイターで将来は騎士か英雄になろうと夢見る16歳です。

PLB(以後ジブル) ドワーフの魔動機術技師にしてガンナー。戦士から落伍者。ジブラルタル・ヘイブロルトル。

PLC(以後デニス) 孤児出身のナイトメア。シーンの神官戦士のデニスです。 

PLD(以後フリーダム) 人間のトレジャーハンターにして妖精使い。フリーダムです。


GM はい。では、シナリオをはじめましょう。君たちがいるのはルーフェリアです。小神ルーフェリア生誕の地であり、その名を持つルーフェリア湖を囲んで形成される国家だ。この国は近年までその存在を知られておらず、新たな国として、そして、神の力を持って守られた国として注目を浴びている。

デニス リプレイの国ですね。


※公式リプレイ「新米女神の勇者たち」は絶賛発売中である。


コンラッド まさに、英雄になる僕のためにできたような国だね。楽しみ。

ジブル 
その根拠のない自信がどうやって出てきたのか不思議で仕方ない。

コンラッド 
新たな国を襲う災厄に対抗する勇者。まさに、新しい英雄たるボクにふさわしい。(笑)

ジブル 
まだ襲ってもいない災厄に対抗しようとするのはやめておけ。(笑)

フリーダム で、はじめるに当たって、私達は全員知り合いってことでいいの?

GM その辺は、プレイヤーの自由でお願いします。とはいえ、導入は冒険者の店なので、バラバラに始まる場合、皆さん冒険者の店に集まるという方向でお願いします。

ジブル フリだな(笑)

GM 
フリじゃねえよ。(笑)

デニス 孤児の私は口減らしだから、すでに冒険者という状況がいいな。

GM 了解。

コンラッド ここは、やはり王道的に夢を持ってきた僕は「ここが冒険者の店か!!」という状況で登場したいな。

ジブル ワシは、別の冒険者パーティーの一員だったが、魔力の低さに解雇を言い渡され、この若者と一緒に1からやり直そうと…

コンラッド 
…ジブラルタルさん。ここまでありがとうございました。また縁があったらよろしく〜(笑)

ジブル 
冒険者志望者にすら見捨てられた!!

(一同笑)

GM どっちが冒険者なのやら(笑)

フリーダム じゃあ、アタシは冒険者の店でクダを巻いてる口です。この前のトレジャーハントで、そこそこ儲かったってことで、ゴロゴロしてる。数週間は自堕落に暮らせる所持金あるし。

ジブル そんなにあるの?

フリーダム 430ガメル

ジブル 
うらやましい。ワシなんて金欠で防具すら変えないというのに。(笑)

デニス それでいいのか、ドワーフ…

ジブル だって、銃が800ガメル。マギスフィア(小)が200ガメル。弾丸が12発で50ガメル…これはSNEの陰謀だ。(笑)

GM あきらめろ。さて、冒険者の店にいる組から始めよう。ルーフェリア唯一の冒険者の店『水晶の欠片亭』にいるのはデニスとフリーダムの二人だけ、これは普通に考えたらメチャメチャ少ない。

デニス 何かあったの?

GM 現在、冒険者の店の厨房を預かるコボルトが出払っているからです。そのため、
現在この店で食事を頼むと格安でリッタ店長の手料理オンリーしか出てきません。(笑)


※ なお、『水晶の欠片亭』の店長は"味覚の冒険者"なる称号と持っている。ちなみの彼女の冒険はデスシナリオです。


GM 
ちなみに、心得のある冒険者は、何かと理由をつけて早々に店を出ている。

フリーダム ボクは逃げ遅れた口かな。(笑)

デニス 私は所持金の心もとなさに仕事を探しに来たら、デッドタイムに入店して出るに出れなくなった口で(笑)

GM そしてさらに、もうひとり、運がいいのか悪いのか、場違いな男がカウンターからリッタ店長に話しかけている。リッタ店長は、明らかに困惑というか眉をしかめている状況だ。

フリーダム ほうほう。依頼人かな?お金もってそう?

GM おそらく依頼人であろう。もしそうでなければ、何かにつけて店内にいる君たちにリッタ店長は自慢の料理を勧めているはずだ。 

デニス ありがとう依頼人。(笑)

GM 漏れてくる話を聞くに、どうやらこの依頼人は冒険者を探しているらしい。だが、君たちが首を突っ込むのをためらう理由があった。

デニス ほう?

GM 依頼人らしいその青年は、金のかかった上等な服を着ている。金髪碧眼で手入れの行き届いた髪はさらさらと左右に分け、耳元できれいに切りそろえている。口ヒゲもきれいにそろえられ油できれいに固められている。

フリーレム キラーン。お金のにおいがする。貴族の方かな?

GM 
かぼちゃパンツからのびるぴっちりタイツに包まれた足と、金糸に赤や青をふんだんに盛り込んだ豪華なチュニック。さらに首にはシャンプーハット(特大)のような装飾がついている。

コンラッド 
イメージは十分にできたけどよくわからない(笑)

フリーダム なに、この生き物?

GM 
一応、人間です。

デニス 
どうやら人族らしいぞ。

GM 
(強調)ニ・ン・ゲ・ンです。

(一同笑)


※ウサギ人(タビット)やトカゲ人(リルドラケン)でも人族に分類されます。もちろん、珍妙な生物でも人族に分類されるという意味ではありません。


フリーダム とりあえず、声をかけないほうが正解かもしれない。

デニス まきこまれたくないので、店長の話が終わるまで待つか。

GM シャンプーハットの男は延々としゃべっているのがわかる。「高貴な仕事」とか「名誉な事」といった言葉を乱発しているようだ。やがて、会話の時間に比例してリッタ店長の眉間にしわが寄り、口がへの字に曲がり始める。そして…

リッタ店長 「だ〜か〜ら〜。数が足りないんです。今ここにいるのは二人。この数ではとても仕事を斡旋できません。冒険者がそろったらキチンと斡旋しますから。館に戻ったらどうです?」

GM と、ピシャリととめられます。その言葉と剣幕にシャンプーハットの男も理解したように口をつぐむ。

デニス さすが店長。

フリーダム うん。かかわらないのが正解だね。



GM 
…さて、場面は変わりコンラッドとジブル組。君たちは冒険者の店に向かっている所だ。

ジブル 
いやだああああああああ!!!

(一同爆笑)

GM おいおい。ちゃんと「冒険者の店に集まるという方向でお願いします。」といったじゃないか。(笑)

ジブル これは罠だ。GMの陰謀に違いない!!

GM 
(無視)さて、夢と希望にあふれるコンラッドは冒険者の店『水晶の欠片亭』に到着した。英雄になる決心をした君は、躊躇なくドアに手を伸ばす。

フリーダム 
このGM。描写シーンでプレイヤーの行動を制限し始めた。(笑)

ジブル 
姑息な手を覚えたな。(笑)

コンラッド そんなことも露知らず。ボクは英雄への第一歩を踏み出すわけですね。ああ、ドキドキするな。(笑)

ジブル それが危機感知であればどれだけ救われたことか…。(笑)

コンラッド まったく、心配性だな。ジブルさんは。では、「たのも〜」とドアを開けるよ。

GM さて、冒険者の店のドアが開く。そこには、金属鎧を着た青年と、魔道銃を背負ったドワーフだ。そして、『水晶の欠片』亭その瞬間。シャンプーハットの男の目がキュピーンと光った。

シャンプーハットの男 「キターーーー!!!」

GM そして、バビュンという音がしそうなスピードで、コンラッドとジブルの前に移動する。

シャンプーハットの男 「君たちは冒険者であろう。そうに違いない。そうだな。君たちは冒険者なのだな。店長。みたまえ、冒険者が来たぞ。これで四人だ。」

GM と、君たちを問答無用で店に連れ込む。

(一同笑)

コンラッド 困惑します。冒険者の店ってこんな所だっけ?(笑)

ジブル 
困惑しているコンラッドよ。大丈夫だ。お前は正しい。(笑)

GM うむ。困惑する君たちだが、リッタ店長も当然驚く。

リッタ店長 「いやいやいや。まだ彼らが冒険者かどうかもわからないし、そもそも、彼らに任せられる仕事かもわからないんですよ。勝手に決められては困ります。」

GM と、君たちをカウンターに座らせる。ちなみに、威嚇するようにしてシャンプーハットの男を離れた席においやる。(笑)

フリーダム さすが店長。この店が信頼できる冒険者の店だと理解したわ。(笑)

デニス 
依頼人と冒険者を仲介するという意味では心強いが。何か違わなくないか?(笑)

GM さて、リッタ店長は君たちに向き直る。

リッタ店長 「魔導機術士のジブルは知ってるが、そっちの人間は新顔だね。アタシはリッタ。この店『水晶の欠片亭』の店長リッタだ。最初に聞くが冒険者かい?」

コンラッド ボクですか?そうです。こう見えても剣の腕はなかなかなんですよ。

ジブル 技能は認めるが、能力はどうかな。主に筋力。(笑)

リッタ店長 「ジブルが認めるってことは、見込みがないってことじゃないんだね…了解。あそこに二人(デニスとフリーダム)座ってる席があるでしょ。あそこで待ってて頂戴。(シャンプーハットの男をみて)ではサー、話をうかがいましょう。」

GM と、シャンプーハットの男を呼んで話を始める。

コンラッド どうしよう?

デニス 一緒のテーブルになるんでしょ?どうやら一緒に仕事をする羽目になりそうだから自己紹介でもしておかないか?

フリーダム ま、そんなところかな?

GM 君たちがそんな感じに自己紹介が終わるころ、リッタ店長とシャンプーハットの男の会話も終わり君たちは呼ばれる。

ジブル どうやら、ワシらでもできそうな仕事らしいぞ。

GM 君たちがカウンターに移動しようと席を立ったとき、
眉間にしわを寄せたリッタ店長の長い長いため息がなぜか印象に残った。(笑)

ジブル 
なあ、ここで回れ右して帰っちゃだめか?

(一同笑)


シャンプーハットの男(以後チンタン卿) 「ミーの名は
チンタン。チンタン・ロズウェルト2世。チンタン卿と呼んでくれ。」

(一同笑)

フリーダム なんで、そんな珍妙な名前をつけるのよ。(笑)

GM 忘れないだろう?

コンラッド そもそも、そんな単語を記憶したくないな。(笑)

デニス ま、早く終わらせよう。仕事の内容は?

チンタン卿 「うむ。ミーの遠縁の者が、修行を終えライフォス神殿に赴任してな。面識はないのだが、遠縁とはいえ縁は縁。何か祝いの品を送ろうと思ったのだが、ミーはルーフェリアを熱心に信仰しており、他の神についてはあまり興味も知識もない。つまり、何を送ればいいかミーにはさっぱりわからんのだ。しかし、悩めるミーにルーフェリア様は天啓を与えてくださった。これも日々ルーフェリア様を熱心に信仰しているミーをルーフェリアさまが祝福してくれたからに違いない、思えばミーが10歳の頃…」

フリーダム はいはい。話がそれてるよ。

チンタン卿 「うむ。ミーが幼い頃になくなった大叔父の別荘に、それはそれは見事なライフォス神像があったのだ。身寄りのない大叔父がなくなった時、家財道具などは処分したのだが、神像はそのまま放置されたはずだ。これを贈呈すれば祝いの品となろう。」

リッタ店長 「で、その神像の回収とカリナスまでの護衛が任務になる。」

フリーダム 神像の大きさは?

チンタン卿 「幼い頃の記憶なので定かではないが、人間と同じくらいの大きさだったはずだ。石作りの像なので、そこそこの重量はあるはず。」

リッタ店長 「回収用の台車はこっちで用意するよ。まあ、押すのはそっちで頑張って」

デニス その別荘はどこらへん?

チンタン卿 白竜山の麓だ。ここから2日ほど。フォリマー村から1日程度の距離だったはずだ。別荘の近くには小さな村があり、今はその領民が別荘を管理しているはずだ。」

フリーダム ふむふむ。で、報酬は?

リッタ店長 「払いはいいから安心してね。とはいえ、報酬は全員で2000ガメル。まあ、これはうちの規定みたいなもので、実力のわからない冒険者に多額の報酬は渡せないんだ。ちゃんと仕事をこなしたら、次はちゃんと埋め合わせはする。前金で保存食を5日分。往復4日だから十分だろう。」

ジブル 危険とかはないのか?

チンタン卿 「近くの村から歩いて5分程度の別荘だからな。特にはないはず。とはいえ昨今、蛮族の動きが活発化しているし、町の外を歩くのだから、油断されては困るな。」

フリーダム 危険手当とかないの?

GM その危険手当が2000ガメルだとおもってください。安全な荷物運びだけなら報酬はその4分の1がいいところよ。(笑)

デニス まあ、いいんじゃないか?所持金も少ないし。(笑)

GM では、引き受けるとわかったチンタン卿は、君たち一人一人の手をとって喜んでくれたよ。

ジブル まあ、今日は休んで明日の朝出発と行きますか。



GM では、次の日です。ルーフェリア首都カリナスからルーフェリア湖そいの道に沿って1日。フォリマー村に着くと、街はザワついています。

コンラッド なにかあった?

GM みると、ルーフェリア神殿の前に、村人が集まっているようです。入り口まえで、司祭らしき人が村人を押しとどめているようだ。

ジブル 厄介ごとかのう。

GM 君たちが神殿に行くと、入り口の司祭が君たちを見つける。

ルーフェリア司祭 「おお、冒険者の方か。よくきてくれた、力を借りたいのだ。」

デニス なにがあったの?

ルーフェリア司祭 「ここから南にいったところにあるティレットという村が蛮族に襲われているらしい。」

フリーダム うわ〜。最悪にナイスなタイミングできたね〜。

ルーフェリア司祭 「この町にいた冒険者は、ちょうど大水門遺跡の探索に出てしまって、すぐに向かえる人を探していたのだ。」

フリーダム ティレット村のはずれに、貴族の別荘がありませんでしたか?

GM 確認すると、依頼人の大叔父の別荘がそこにあったことを教えてもらえる。

フリーダム 危険はないはずだったんだけどな〜。どうする?全部終わってから回収って手もあるけど。

GM 一般常識なのでおしえますが、基本的に、蛮族はライフォス神が大嫌いです。ぶっちゃけ、神像とか見つけたらぶっ壊すのが当たり前なくらい。(笑)

(一同笑)

ジブル 
依頼失敗か…

GM 
あきらめる前に助けにいってください。

デニス ティレット村には、どれくらいの住人がいるんですか?

ルーフェリア司祭 「ティレット村は、薬草の栽培地で、冬は雪に閉ざされる集落だ。そのため、住民が春から夏の終わりまでそこに住み。秋から冬は、フォリマーの家で仕事をするか、カリナスに出稼ぎにでている。そのため、子供や老人はいない。今村にいるのは7人ほどだ。全員が狩人か薬草士(レンジャー)だ。そのうち何人かは戦いの心得もあるが、獣程度ならまだしも蛮族では心もとない。何とか助けに行ってくれないか?」

フリーダム 今から言って間に合うの?1日の距離だと、もうどうしようもないと思うけど?

ルーフェリア司祭 「助けを呼びにきた村人は、まだ襲撃前にこちらに向かったのだ。早くつけば、彼らと一緒に迎撃する事もできよう。最悪の事態になったとしても、彼らは熟練の狩人だ。何人かは生き残るかもしれん。」

フリーダム 報酬はいくら?

コンラッド え?報酬を要求するの!?いいじゃん。蛮族倒せるならボク行っちゃうよ。

フリーダム 
こっちだって生活がかかってるんだからね。飢えてリッタ店長の料理を食べるまで落ちぶれるのはいやよ。

デニス 
残金7ガメルの私はすでにそのレベルって事?(笑)

フリーダム 
そう、大事な仲間のデニスの為に、ここはシビアでも涙を呑んで請求。ということにしておく。

デニス うわ。ダシにつかわれた。
でも待てよ。ここでワタシが「いりません」って言ったら…

フリーダム 
(即座に)一人200ガメルくらいもらえないかな?

(一同笑)

ルーフェリア司祭 「いいでしょう。ただし、生存者を救出したらという前提でお願いします。わざと見捨てるようなことがあった場合はお支払いしません。」

フリーダム オッケイ。安心していいよ。さすがにそこまでしないって。

コンラッド …ホント?本当にそこまでしない?

ジブル 
わざと遅れて行って「誰も生きていませんでした」とかいいそうだな。(笑)

フリーダム 
ひどいな。私を何だと思ってるんだ?

コンラッド 
現段階で『困っている人に金品を要求している人』かな?

ジブル 
的確だな(笑)

(一同笑)

デニス 
とりあえず、シーンの神官として、そんなことはさせません。(笑)

ジブル 
すばらしい、まさに神に仕える聖職者。

デニス どう見ても普通のことなんですけどね(笑)

フリーダム 
今度は私がダシにされたわ(笑)



コンラッド では、早速出発。ダッシュで向かおう。

ジブル さすがに一日の距離をダッシュしたら死ぬだろう。(笑)

GM 一応、カリナスから二日の距離だけど、フォリマー村で休憩を入れずに、そのまま進むならその分早くなるね。あと、台車を置いて行くならさらに早くつけるだろうね。夜を徹して歩くなら、相当早く到着できるだろう。とはいえ、徹夜だとその日は判定−1のペナルティーを受けるね。

コンラッド どうする?ボク的には、徹夜で行軍もありなんだけど。

ジブル 何気に徹夜のペナルティーはきつい。このまま出発で台車はおいていくのがいいけど

フリーダム それでいいんじゃない。無理してアタシらまで全滅じゃあ、しゃれにならないでしょ。

GM はいはい、では予定通りの時間にティレット村に到着しました。ティレットは村というよりも集落です。10mほどの広場の周りに5件ほどの粗末な小屋が立っているだけだ。その周りには小さな薬草園が見える。その先20mも行くとはうっそうと茂った森になっている。

コンラッド 蛮族とかいる?

GM 広場に奇妙なものがある。おそらく鹿か何かの燻製モモ肉がつるされており、その周囲に蛮族が倒れている。

フリーダム 【怪物知識】判定。『12』

GM ゴブリンだね。それが二匹。完全に死んでいる。

フリーダム 死因は?刀傷?矢傷?

GM 外傷はないようだ。口から黄色い泡を吹いてるね。

デニス 毒か。

GM と、森のほうから声が聞こえてくる。見ると壮年の男が一人が森から現れる。

壮年の男 
「お〜い。お〜い。その肉を食っちゃならんぞ〜」

コンラッド 
えっ。所持品欄に「鹿のモモ肉燻製」って書いちゃったよ。

ジブル 
おおおい、コンラッド君なにやってるのおおおお!?

(一同笑)

壮年の男 「そいつは蛮族を罠にはめるために用意した毒入りのえさなんだ。」

コンラッド 
罠だって!?なんて恐ろしい罠なんだ(笑)

ジブル 
ああ、恐ろしいな、お前の手癖の悪さが。(笑)

デニス で、おじさんはなにしてるの?大丈夫?

壮年の男 「ああ、わしは蛮族の行動を森から監視していたんだ。今、村の若いのが館で蛮族を迎え撃ってるはずだ。」

フリーダム どういう事?

壮年の狩人 「蛮族がここに来るとわかったんで、みんなで罠を仕掛けたんだ。とはいえ、数は減らせても全滅できるほど大掛かりな罠なんて作れねえ。守るにしてもこの辺のボロ屋じゃ壁にもならん。で、まともな建物である館に立てこもってそこで迎え撃ってるんだ。」

ジブル 館って?

GM 話を聞くに、依頼の神像のある貴族の館だね。

ジブル さっきGMが言っていた「蛮族はライフォス神像見たらぶっ潰す」っていうのは?

GM ばっちりご当地のようです。

デニス 館ってどこ?

GM 広場から道が伸びている。ゆるいのぼり坂を50mほど上った先だ。石作りの塀に囲まれた二階建ての建物が見える。その館からは黒い煙が上がってるね。

コンラッド 燃えてるの?

GM 煙が上がっているだけで、火の手はまだ見えないね。

コンラッド 急いでいこう。全力移動で36mだから、2ラウンドか。

デニス あたりに蛮族とかいない?

GM この集落にはいないようだね。道の途中に似たいほど蛮族が倒れている。後は、館の石塀の辺りに人影のようなものがいるね。登り坂の上なのでよく見えない。

デニス 私の敏捷度は13なので、全力移動で39mですね。

ジブル ワシが全力移動して何ラウンドかかるんだ?っ手状況だな。まあ、魔動銃の射程が30mだから楽といえば楽だが…

フリーダム アタシの攻撃魔法【ファイアーボルト】は距離10mだかな〜。ゆっくり後からついていくか。

GM では、全力移動の先頭集団。コンラッドとデニスの二人は2D6を振ってください。

コンラッド うん?「7」

デニス 何か足す必要はないんだよね「10」

GM では、デニスさんだけ、レンジャー技能かスカウト技能の『危険感知』をお願いします。

デニス ええ!?そんな余分な技能はないよ。ひらめで…『7』

GM 
では、トラバサミの罠だ。2D6+3で…『11』点のダメージ。防護点で減らしていいからね。

壮年の狩人 
「いや、だから罠を仕掛けてだなぁ…」

コンラッド 
え?

(一同笑)

デニス 
ちょっとおじさーーーーん!!(笑)

ジブル まさか、敏捷度が低くて感謝する日がこようとは…(笑)

GM ちなみに、坂道で倒れている蛮族にも、似たような罠による傷がある。

デニス 
そ〜いうことはもっと先に言って。

GM 
調べる前に走り出したのはあなた達です。(笑)

フリーダム 罠を調べていきますか。このパーティーで罠を調べられるのはアタシだけだし。

ジブル ワシの移動力じゃフリーダムの後ろを移動してもあまり変わらんな。

GM さて、坂道の半ばまで来ると館の状況がわかります。高さ2m程度の石の壁がぐるりと取り囲む館ですが、すでに石塀の門は破壊されています。そして、塀のこちら側に6匹ほどの蛮族がいる。その中には、石塀の崩れたところから弓を射掛けているやつもいる。半分は怪我をしているのか地面に横たわっているね。そのうち何匹かは君たちに気がついて起き上がってくる。

コンラッド 蛮族なんだね。

GM そうだね。ゴブリンが数体いるけど、見たことのないのが2種類ほどまじってる。ゴブリンの弱点もかねて<魔物知識>判定を3回してください。

フリーダム あたしはまだ見えてないってことだよね。判定できないわ。

コンラッド 大丈夫。セージ技能1レベルもってるから「10」と「7」「4」で『13』『10』『7』だね.

GM 蛮族はコボルトとゴブリンとボガードだね。コボルトとゴブリン魔法に弱く魔法ダメージ+2。ボガードの弱点はわからなかった。コボルトはゴブリンより弱い犬顔の蛮族だ。ボガードはいわばホブゴブリン。戦闘能力に優れたゴブリンだね。どうやら向こうも君たちに気がついたようだ。傷を負っていたらしいボガードとやゴボルトが起き上がってくる。後壁際で弓を売っていたゴブリンも君たちに照準を定めている。

デニス お、罠に引っかかったのかな?

コンラッド …じゃあ、移動してもいい?

フリーダム お、罠を調べないでもいいの?

コンラッド うん。一刻も早く村人助けないといけないじゃん。まあ、ダメージもそれほどでもないし、回復魔法もつかってないし。

GM まあ、そのまま移動するなら2D6振ってね。

デニス しかたない。私も同行しよう。

コンラッド さっきと同じ「7」

デニス 「6」だ。まあ、「7」に近いし大丈夫でしょう

GM 
残念だが罠に当たる確率は50%。つまり奇数が無事なんだ。デニスは罠に引っかかる。地面に掘られた穴に足をとられた。

デニス 
なんで私だけーーーーー!!!(笑)

(一同笑)

GM ダメージはないけど盛大に転んでください。【転倒】状態です。



こうして始まった最初の戦闘。ルール説明と共に、先生をとった蛮族側からの攻撃で、コンラッドが集中攻撃を受けるも、弓ゴブリンの誤射によりコボルト死亡。返すコンラッドのクリティカル攻撃でボガード死亡。ゴブリンが頑張りましたが、まさに一矢報いることなく敗北しました。
最初の戦闘ということで負傷蛮族のHPを半分にしていたのが大きな敗因です。
1−1「館でのバックアタック」



GM では、君たちが蛮族を倒すと、状況がわかります。館を取り囲む石の塀の向こう側は庭になっているようです。そこには数匹の矢が刺さった蛮族が倒れており、抵抗の後がうかがえます。

フリーダム ちゃんと狩人の村人も仕事はしてるんだね。

GM しかし、館のドアは破壊されすでに突入された後のようだ。さらに、二階の窓からは黒い煙が上がっている。

フリーダム 
ああ、神像おわったわ。

GM 中からは、まだ剣戟のおとがきこえている。

コンラッド まだ、生存者がいるんだね。全力移動で館に突入。

デニス 
そして一緒に突入する私だけ罠にかかる…

フリーダム 
引きずってる(笑)

GM 壊れた入り口を抜けると吹き抜けのホールになっている。会談が左右の壁に沿って二階に伸びており、二階の踊り場で蛮族と人間が戦っている。

フリーダム 神像は?

GM 吹き抜けになっている正面が小さな礼拝堂のようなつくりになっていて、その一段高いところにライフォスの神像が置かれている。

フリーダム まだ壊れないのね?

GM まだ壊れていないね。

コンラッド そんなの気にしないで二階へダッシュ。

ジブル ブレないな〜。(笑)

フリーダム 
ブレないのはいいが、こっちの経済状況の事を考えてほしい。(笑)

GM 階段は火がつけられて燃えている。とはいえ、もうほとんどの火は沈下いるようだ。上るなら『危険感知』判定で判定してください。失敗するともろくなったところを踏み抜いて下に落ちてしまいます。
目標値は全力移動で「7」。通常移動なら「5」。制限移動なら判定なしです。二階までの距離は15mとしましょう。

コンラッド 全力移動で技能はないので…「8」で成功。一気に乱戦エリアに入るよ。

デニス 
私は通常移動で階段の途中まで、慎重に慎重に…「4」。きゃああああああ!!

(一同爆笑)

ジブル もう、次から罠はお前さんに任せるよ。(笑)

フリーダム 
スカウト技能取る?<危険感知>できるよ。解除はしてあげるよ。(笑)

デニス 
うう…前向きに検討したくなってきた。

GM 落ちた場合2D6のダメージで『7』点で防護点有効のダメージです。ただし、自動的に【転倒】状態になります。補助動作で起き上がってください。

デニス うう、また転倒か。参戦は2ラウンド後か…

GM (内心:そうは問屋が卸しませんがね。)


さて、こうして2階ではボガード2体との戦闘です。さらに、一回からコボルト2体が後衛に奇襲を仕掛けますが、運良く(悪く)おちていたデニスによって阻まれます。

さすがにボガードの<連続攻撃>によって、コンラッドが大ダメージを受けますが、魔法の援護の元、撃破に成功します。
1-2「階段の上と下で」



GM さて、蛮族をあらかた倒すと、狩人達はへたり込みます。話を聞くと昨晩から戦っていたようです。

ジブル まあ、徹夜で戦闘じゃつかれるわな。

GM そうだね。とはいえ、何人かはけが人の治療に当たるし、使者はいないけどHPが0になって気絶している人もいる。傷を負ってない人は皆無だね。彼らの治療がある。

デニス はいはい。<キュアウーンズ>がありおますよ。危ない人は回復しますよ。

GM まあ、そんなこんなで治療を終えると、昼過ぎに一段落します。

デニス さて、こっちも依頼を果たしますか。

GM 了解です。怪我の治った狩人達も梱包や台車への固定を手伝ってくれます…って、台車は?

ジブル あ、前の街においてきたわ。

コンラッド じゃあ、取りに戻ろう。

GM はいはい。では、1日かけてフォリマー村まで戻りました。ルーフェリア神官が状況を聞いてきますが、皆さんの説明で、ほっと胸をなでおろします。

フリーダム おおっと、報酬報酬。

GM はい。800ガメルの入った袋を渡してくれます。ただ、フォリマーに助けを呼びにきた狩人さんをティレットに送り届けるように頼まれます。まあ、実際には何の問題もなく1日かけて、ティレット村に到着し、一緒に来た狩人も無事合流します。

ジブル まあ、手間はかかったが、神像はもって帰っていいんだよね。

GM はい、そうです。では、神像を運んでカリナスに戻るのですが、特に寄り道しなければq、予定通りティレット村から2日かかります。食料を2日分減らしてください。

コンラッド はいはい。

デニス …あれ?

ジブル あ…

コンラッド 
どうしたの?

デニス 
食料がない。

GM はい。計算してみましょう。
リッタさんが前金でくれた食料は5日分フォルマーまでが1日目。そこからティレットまでで2日目。台車を取りにフォルマーに戻って3日。ティレットに戻って神像を詰め込み4日目。ティレットから台車を引いてフォルマーに戻って5日目。そして、今フォルマーからカリナスへの6日目です。

(一同爆笑)

デニス 
食料が尽きたーーー!!

ジブル 
食料がねえええええ!!!

コンラッド あ、ボクが保存食持ってるよ。

ジブル くれええええ!!!

コンラッド 
でも所持金の関係で二日分しかないんだ。自分の分で1日分使うから、残り1日分。

フリーダム 
(即座に)取ったーーーーー!残りの一個取ったーーー!!

ジブル 
ずりいいいいいい!!

デニス 
ジャンケン!ジャンケン!

フリーダム 
ふっ。仕方ない。ジャンケンしよう…と油断したところでダッシュで逃げながら食べる。

コンラッド 
悪魔現る。(笑)

(再度爆笑)

ジブル ええい。カリナスに戻ればいいんだ。1日分くらい食えなくても死にはしない。

GM はいはい。食料なしのペナルティはないでもないが、判定が必要な事もなかったので割愛します。カリナスの「水晶の欠片亭」にもどりました。

ジブル メシをくれぇ〜

デニス ごはんごはん〜

リッタ店長 
「あ〜おかえり。食事?賄い(=店長の手料理)しかないけど、それでもいいかい?値段は格安の2ガメルでいいよ。」

デニス 
ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!

ジブル 
謀ったなマスタぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!

(一同爆笑)

GM というところで、今回のセッションは終了です。これからもよろしくお願いします。

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